【受信テク・知識】AMラジオ 同一周波数局の混信を乗り越える、もっとも効果的な方法とは?

【受信テク・知識】AMラジオ 同一周波数局の混信を乗り越える、もっとも効果的な方法とは?

狙った局を地元局がかき消してしまう…

AMラジオの電波は夜間になると数百㎞飛ぶので、日中は絶対に受信できない電波であっても、太陽が沈めば意外に簡単にキャッチできてしまうもの。たとえradikoで簡単に聴ける時代であろうが、遠距離局が受信できたときの「数百㎞かけて届いた電波を捕まえてやった」感は何物にも代え難い(…と思えるのは実際に受信した人だけだと思うので、まだ未経験の人はぜひ試しに周波数をいろいろと合わせてほしい)。

ところで、日本国内のAMラジオの割り当ては9kHzステップで、近隣の局とはできるだけ周波数も離し、それでも混信しそうな場合は指向性をつけるなど、実にうまく配置されている。限られたバンド内でこれは見事としか言いようがないが、夜間の遠距離受信はあまり考慮されていないのも確か。「東京から北海道の局を聴く人もいるだろうから周波数は離して…」などと考えていたらキリがないからだ。
そのため強力な地元局が目的の遠距離局をかき消してしまうということはよくあることで、そこをどう乗り越えるかが遠距離受信の難しさであり、おもしろさでもある。

強力な混信局と言っても周波数が9kHzでも違っていればマシな方で、もっともやっかいなのは同一周波数の混信局である。たとえば関東地方でRKK熊本放送の本局(D10kW)を受信しようと思っても、同じ1197kHzの茨城放送本局(5kW)にかき消されてしまう。
この場合、指向性のあるループアンテナなどを駆使するなどするしかないが、1197kHzにはほかにも1kW局が3局もあるので難易度はかなり高い。

日曜深夜は受信のチャンス⁉

だが、唯一のチャンスと言えるのが、日曜の深夜だ。局によっては送信設備のメンテナンスのため放送を休止するのだ。

送信設備もデジタル化され送信機のメンテも楽になったとはいえ、まだまだ日曜深夜は放送が休止される局が多い(写真は和歌山放送タイムテーブル)

先述の茨城放送の終了時間は24時、対して熊本放送は25時である。茨城放送終了後の1時間が受信の最大のチャンス。24時間放送の1kW局であるRKBラジオ北九州局をうまくかわせば、熊本の電波がキャッチできるはずである。

1kW以上の同一周波数局と、それぞれの日曜深夜放送終了時間を表にまとめた(画像が見づらい場合、PDFデータをアップしたのでこちらから見てください)。お住まいの場所、目的の局で受信難易度は変わってくるとは思うが、いろいろ試してみてほしい。

文/編集部

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