【受信機材】民放ラジオ99局“スピーカーでラジオを聴こう”キャンペーン 勝手にコラボ企画② おすすめラジオチューナー付きBluetoothスピーカー

【受信機材】民放ラジオ99局“スピーカーでラジオを聴こう”キャンペーン 勝手にコラボ企画② おすすめラジオチューナー付きBluetoothスピーカー

民放連の「スピーカーでラジオを聴こう」キャンペーン勝手にコラボ企画第2弾! スピーカーでラジオを聴くのにぴったりなのがなんと言ってもBluetoothスピーカー。radikoを飛ばして聴くのもいいが、ラジオ好きにはチューナー付きのスピーカーをぜひ紹介したい。今後ラジオチューナーの定番となりえるのかも考察してみた。

ラジオの新形状・スピーカー型ラジオ

 真空管がトランジスタになり、モノラルがステレオになり、ラジオは常に進化してきた。なかにはFM文字多重放送やAMステレオなど廃れていった技術もあったが、それも余計なものを削ぎ落とし洗練していった結果と言える。
 現在、ハード的に言えば、中華ラジオを中心に隆盛を誇っているDSPラジオが最先端であろう。Si4836という万能ワンチップICの登場で、廉価でハイクオリティなラジオが実現。簡単にAM、FM、SWの3バンドラジオが作れてしまうすごい技術である。
 その一方で、いわゆるホームラジオというカテゴリのなかで、今回はあるタイプのラジオに注目したい。Bluetoothスピーカーにラジオチューナーがついたタイプのものである。

 Bluetoothスピーカー自体、スマートフォンやタブレットの普及で急速に需要の増した商品だ。簡単に言えば無線でつながるスピーカーである。コーデックの種類がいくつかあり、なかにはハイレゾ音源に対応したものもあり、これまで「無線」と聞けば無条件で音質面に不安を感じてきた層も、納得のクオリティに仕上がってきた。

 そのスピーカーにラジオチューナーも付ければいいんじゃね?とばかりに2016年に登場したのがソニーのSRF-V1BTだ。

ソニーSRF-V1BT。写真はホワイトだが、ブラックもある。価格は2万円前後。

 ラジオであり、単体のスピーカーでもあるため、これまでのラジオチューナーからは考えられない形状となった。タテ長のボディに、操作系は天板に配置、スタイリッシュなデザイン。本来のホームラジオの特徴でもある据え置きで使う形状でもありながら、リチウムイオン電池が内蔵されており、充電すれば部屋のどこにでも持っていける手軽さも付加された実にすばらしいコンセプトのラジオだ。
 ソニー特有のジョグダイヤルが特徴で、選局もクルクルと回して行う。取説を見ることなく操作できてしまうのは、さすがはソニーといった出来栄えだった。
 音にこだわるユーザーからするとメインの外部スピーカーとしては使われないかもしれないが、バランスのよい音は長時間聴いても疲れにくく、音楽だけでなくトークも多いラジオ向きにチューンされていると感じた。発売から5年以上経ってもバリバリの現行機。ラジオとして完成された逸品である。

ラジオがメイン? スピーカーがメイン?

このコペルニクス的転回なラジオは大きなインパクトとなった。Panasonicなど各メーカーから似たような機種が次々登場した。
 たとえば「SANSUI 」ブランド(昔の山水電気はすでに存在せず、オリオン電機を引き継いだドウシシャという企業がブランド名を使用)でレトロ風なラジオ兼Bluetoothスピーカーが存在する。これがつい欲しくなるような絶妙なルックスで、価格も5千円弱とリーズナブルだ。

SANSUI MSR-1。レトロな形だが、中身はDSP機。もとは5千円程度だが、生産が終了したみたいで、アマゾンマーケットプレイスではプレミア価格で売られているので注意

 以上の商品はラジオチューナーが主役であるが、その一方で、あくまでBluetoothスピーカーがメインで、ラジオ機能がおまけ的に備わった機種もいくつか存在する(たとえば老舗スピーカーメーカー・JBLのTUNER2 FMなど)。この場合、商品設計上、AMチューナーは省略され、ワイドF M対応のFMチューナー付きBluetoothスピーカーとなっているケースがほとんど。一部、クロックラジオ的な商品を除くと、スピーカー重視であるから、ラジオメインの機種よりも概して「音質」がよいものが多い。AM放送はワイドFMで十分と割り切れる人なら、こちらのタイプの商品のほうがおすすめである。

写真はJBLのTUNER FM。現行の「TUNER2 FM」は防水機能が強化され定価もアップ。

ラジオ付きスピーカー 今後は定番に!?

 このようなスピーカー型ラジオは新しい「定番」として増えていくはずだ。一般層に向けてラジオを売るのはもはや難しい時代だが、流行りのBluetoothスピーカー機能が備わっているのであれば汎用性もあり需要も増すはずだ。
 またradikoの存在も大きい。スマートフォンからスピーカーに飛ばせば、電波のラジオとまったく変わることなく聴取が楽しめる。私などはリアルタイムの聴取はワイドFMで、エリア外やタイムフリーのラジオはradikoで楽しんでいるが、どちらも同じスピーカーから流れるのだから、少し前のradikoのような「電波ではなくインターネット経由で聴いているんだ」と意識することも最近ではなくなってきた。
 SpotifyやApple Musicをはじめとするサブスク系音楽ストリーミングサービスの普及、さらには33Tab(ミミタブ)やVoicyなど新しい音声サービスが増えている中、イヤホンだけでなくスピーカーで楽しみたい層がさらに増えると思われる。新しいホームラジオの形として、ラジオ付きスピーカーがどう進化していくかが楽しみである。 (文/編集部)

スマホをスピーカーにつなげてradikoを聴くスタイルも定着してきた。

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